前編はコチラ
463: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:58:42 ID:DCddfn6p0
その日が、菜美の部屋に入った初めての日だった。
普通なら、俺たちの関係に少しぐらい進展があってもいいんだろうけど
結局、何事もなく終わった。
怯える菜美がなんとか寝付いたのは深夜2時過ぎ。
普通なら、俺たちの関係に少しぐらい進展があってもいいんだろうけど
結局、何事もなく終わった。
怯える菜美がなんとか寝付いたのは深夜2時過ぎ。
すやすやと寝る菜美を見てさすがにムラムラしたけど
今襲ったら、それこそ菜美を深く傷つける気がして
最後の一歩は踏み出せなかった。
その3日後ぐらいから、菜美のところにも街金が来るようになった。
そのため、俺と菜美は半同棲のような形になった。
だけど俺は、相変わらず菜美には手を出さなかった。
菜美が風呂上りにノー部ラパジャマでいたりとか
パジャマのボタンとボタンの隙間から見えそうだったりとか
かなり危ない状況はあった。
だけど俺は、菜美のいないときに狂ったように1人でして
搾り出したりすることで、なんとか理性を保つことができた。
吉村の一件以降、菜美は知らない男に対して強い警戒感を示すようになってた。
これだけ無理して我慢してたのは
このまま俺が襲ったら、菜美の男性恐怖症はさらに酷くなると思ったからだ。
今襲ったら、それこそ菜美を深く傷つける気がして
最後の一歩は踏み出せなかった。
その3日後ぐらいから、菜美のところにも街金が来るようになった。
そのため、俺と菜美は半同棲のような形になった。
だけど俺は、相変わらず菜美には手を出さなかった。
菜美が風呂上りにノー部ラパジャマでいたりとか
パジャマのボタンとボタンの隙間から見えそうだったりとか
かなり危ない状況はあった。
だけど俺は、菜美のいないときに狂ったように1人でして
搾り出したりすることで、なんとか理性を保つことができた。
吉村の一件以降、菜美は知らない男に対して強い警戒感を示すようになってた。
これだけ無理して我慢してたのは
このまま俺が襲ったら、菜美の男性恐怖症はさらに酷くなると思ったからだ。
464: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:59:12 ID:DCddfn6p0
俺が菜美の家に通い始めてから1週間ぐらいしたとき
菜美の家に俺の歯ブラシを置いた。
歯を磨いた後、俺の歯ブラシを見ながら
「私たちって、変な関係だよねー
普通、家に男の人の歯ブラシ置くのって、
普通に付き合ってるってだけじゃなくて、
相当深く付き合ってる場合だけだよね?
でも、俺男君の歯ブラシはここにあるのに、
私たち付き合ってもいないんだよ?」
と言った。
返す言葉がなく無言でいる俺に、菜美は言葉を続けた。
菜美「ごめんね。俺男君。
私がもっと魅力的で、変なトラブルに巻き込まれるような女じゃなかったら
俺男君ももう少し楽しかったんだろうね」
空元気に笑う菜美が無性に可愛く見えた。
本当は、この件が全部片付いた後、
俺から菜美に告るはずだった。
だけど俺は予定を繰り上げて、
その日に菜美に告って、その日に菜美を抱いた。
俺としては、菜美を傷つけないために我慢してたのにな。
だけど、俺が菜美を抱かないことが逆に
菜美を傷つけてるとは思わなかった。
女って、難しいな。
菜美の家に俺の歯ブラシを置いた。
歯を磨いた後、俺の歯ブラシを見ながら
「私たちって、変な関係だよねー
普通、家に男の人の歯ブラシ置くのって、
普通に付き合ってるってだけじゃなくて、
相当深く付き合ってる場合だけだよね?
でも、俺男君の歯ブラシはここにあるのに、
私たち付き合ってもいないんだよ?」
と言った。
返す言葉がなく無言でいる俺に、菜美は言葉を続けた。
菜美「ごめんね。俺男君。
私がもっと魅力的で、変なトラブルに巻き込まれるような女じゃなかったら
俺男君ももう少し楽しかったんだろうね」
空元気に笑う菜美が無性に可愛く見えた。
本当は、この件が全部片付いた後、
俺から菜美に告るはずだった。
だけど俺は予定を繰り上げて、
その日に菜美に告って、その日に菜美を抱いた。
俺としては、菜美を傷つけないために我慢してたのにな。
だけど、俺が菜美を抱かないことが逆に
菜美を傷つけてるとは思わなかった。
女って、難しいな。
465: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:59:32 ID:DCddfn6p0
行為が終わって、俺がすぐに服を着ようとしたら菜美に止められた
菜美「もう少し、このままこうしてよう?」
何も着ていない菜美は、何も着ていない俺に抱きついてきた。
俺「ちょっとだけだぞ。襲撃に備えて服は着ておかなきゃだから」
菜美「もういいよ今日は。
今日だったら、このまま死んじゃってもいいや」
俺「何でだよ?今日が俺たちのスタートの日なんだぞ
スタートと直後にゲームオーバーって、ださくない?」
菜美「ああ、そっか。
今日が始まりの日なんだ。
俺「そう。今日がミッション・コンプリートじゃない。今日が始まりだ」
菜美「うん。そだね。これからよろしくね」
そう言いながら菜美は俺にキスをしてきて、二回戦が始まった。
菜美「もう少し、このままこうしてよう?」
何も着ていない菜美は、何も着ていない俺に抱きついてきた。
俺「ちょっとだけだぞ。襲撃に備えて服は着ておかなきゃだから」
菜美「もういいよ今日は。
今日だったら、このまま死んじゃってもいいや」
俺「何でだよ?今日が俺たちのスタートの日なんだぞ
スタートと直後にゲームオーバーって、ださくない?」
菜美「ああ、そっか。
今日が始まりの日なんだ。
俺「そう。今日がミッション・コンプリートじゃない。今日が始まりだ」
菜美「うん。そだね。これからよろしくね」
そう言いながら菜美は俺にキスをしてきて、二回戦が始まった。
466: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:00:03 ID:DCddfn6p0
菜美の家に来る街金とドア越しに話すのは俺がやった。
警察にも相談したけど、
民事不介入ってことで取り合ってくれなかった。
街金とのやり取りは大体こんな感じ。
街金「山田さん、あなた吉村君の金使っていい思いしたんでしょ?
いい思いしたんだったら、その分のお金は払わないと。
それが世の中ってもんだよ。
世の中なめてると、怪我じゃすまねえよ(ここだけドスの効いた怒鳴り声)」
俺「山田が吉村と付き合った事実はありません」
街金「でも、債務整理の相談したとき乗ってきたんでしょ?
まるで無関係の女が、どうしてそんな相談の場に来るの?
そんなやついねえだろ?」
俺「あれは、大学進学の借金と勘違いしたからです」
街金「吉村君も、山田さんが払うべきだって言ってるよ
一度は、山田さんの涙に騙されて自分が払うっていったんだけどね
やっぱり、山田さん。相当、吉村君のこと泣かせたんだろうね。
最近になって、やっぱり山田さんと二人で払うって言い出しだよ。
まあ、自業自得だと思って、まずはこのドア開けてくれないかなあ」
俺「そもそも二人は付き合ってませんし、ドアは開けることはできません。
お帰りください」
街金「てめえに言ってんじゃねえんだよ(いきなり怒鳴り声)。
俺は山田さんに言ってんだよ。オイコラ。山田さん出せや」
警察にも相談したけど、
民事不介入ってことで取り合ってくれなかった。
街金とのやり取りは大体こんな感じ。
街金「山田さん、あなた吉村君の金使っていい思いしたんでしょ?
いい思いしたんだったら、その分のお金は払わないと。
それが世の中ってもんだよ。
世の中なめてると、怪我じゃすまねえよ(ここだけドスの効いた怒鳴り声)」
俺「山田が吉村と付き合った事実はありません」
街金「でも、債務整理の相談したとき乗ってきたんでしょ?
まるで無関係の女が、どうしてそんな相談の場に来るの?
そんなやついねえだろ?」
俺「あれは、大学進学の借金と勘違いしたからです」
街金「吉村君も、山田さんが払うべきだって言ってるよ
一度は、山田さんの涙に騙されて自分が払うっていったんだけどね
やっぱり、山田さん。相当、吉村君のこと泣かせたんだろうね。
最近になって、やっぱり山田さんと二人で払うって言い出しだよ。
まあ、自業自得だと思って、まずはこのドア開けてくれないかなあ」
俺「そもそも二人は付き合ってませんし、ドアは開けることはできません。
お帰りください」
街金「てめえに言ってんじゃねえんだよ(いきなり怒鳴り声)。
俺は山田さんに言ってんだよ。オイコラ。山田さん出せや」
467: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:00:49 ID:DCddfn6p0
俺「山田の代わりに僕が伺います」
街金「てめえは日本語わかんねえのか?コラ(怒鳴り声)
早く出せや。いい加減にせんかいコラ」
(ドーンというすごい音。たぶんドア足就っ飛ばしたんだと思う)
街金が来ると、こういう冷や汗ものの会話が最低20分ぐらい
長いときは2時間以上も続きます。
街金の追い込みはさすがにきつかった。
さすがにもう、嵐が過ぎるのをただ耐えるだけなんて不可能だ。
何とか打開策を見つけなくてはならない。
だが、肝心の吉村とは、まるで話にならない。
それどころか、会えば命の危険さえある。
俺は吉村の実家に行って親と交渉することを考えた。
ゲットした吉村の実家の住所に行き、吉村の両親を訪ねた。
ちょうど両親ともに在宅で、俺は吉村の実家に招き入れれた
家に入った驚いた。
廊下の壁のあちこちが穴だらけだった。
ちょうど、壁パンチをしたような跡がたくさんあった。
リビングに通されたが、リビングの電気の傘も割れたままで交換されていない。
壁も穴だらけだ。
街金「てめえは日本語わかんねえのか?コラ(怒鳴り声)
早く出せや。いい加減にせんかいコラ」
(ドーンというすごい音。たぶんドア足就っ飛ばしたんだと思う)
街金が来ると、こういう冷や汗ものの会話が最低20分ぐらい
長いときは2時間以上も続きます。
街金の追い込みはさすがにきつかった。
さすがにもう、嵐が過ぎるのをただ耐えるだけなんて不可能だ。
何とか打開策を見つけなくてはならない。
だが、肝心の吉村とは、まるで話にならない。
それどころか、会えば命の危険さえある。
俺は吉村の実家に行って親と交渉することを考えた。
ゲットした吉村の実家の住所に行き、吉村の両親を訪ねた。
ちょうど両親ともに在宅で、俺は吉村の実家に招き入れれた
家に入った驚いた。
廊下の壁のあちこちが穴だらけだった。
ちょうど、壁パンチをしたような跡がたくさんあった。
リビングに通されたが、リビングの電気の傘も割れたままで交換されていない。
壁も穴だらけだ。
468: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:01:48 ID:DCddfn6p0
ちょうど吉村の両親が二人ともいたので二人に話を聞いてもらった。
俺の要求は
・無関係の菜美に借金を払わせないでほしい。
・菜美が怖がっているので、もう吉村を近づけないようにしてほしい。
・吉村を一日も早く精神科に通わせてほしい。
というものだった。
借金について
「吉村はもう成人しているので、親の関知するところではない」
菜美に近づかないようにという依頼に対しては
「一応言ってみるが、最終的には本人が決めること。
保証はできない」
精神科に通わせてほしいとお願いしたんだが、
これがまずかった。母親は突然
「ふざけんじゃねえよ。うちの子は精神病か?はあ?てめえが精神病だろうが?」
と急にスイッチが入ったかのように下品な口調で怒鳴り散らし始めた。
さっきまでは普通のオバサンだったのに、急にこの口調ですよ( ゚Д゚)
母親は、リビングの壁などを足就りまくり、
俺の顔に湯のみを投げつけた。
「俺男君、もう今日は帰りなさい」
呆然とする俺に、父親は静かな声で助け舟を出した。
簡単に一礼して、俺は玄関に向かった。
玄関で靴を履いていると、母親は俺に塩を投げつけ、
そのままブツブツ独り言を言いながら奥に消えていった。
俺の要求は
・無関係の菜美に借金を払わせないでほしい。
・菜美が怖がっているので、もう吉村を近づけないようにしてほしい。
・吉村を一日も早く精神科に通わせてほしい。
というものだった。
借金について
「吉村はもう成人しているので、親の関知するところではない」
菜美に近づかないようにという依頼に対しては
「一応言ってみるが、最終的には本人が決めること。
保証はできない」
精神科に通わせてほしいとお願いしたんだが、
これがまずかった。母親は突然
「ふざけんじゃねえよ。うちの子は精神病か?はあ?てめえが精神病だろうが?」
と急にスイッチが入ったかのように下品な口調で怒鳴り散らし始めた。
さっきまでは普通のオバサンだったのに、急にこの口調ですよ( ゚Д゚)
母親は、リビングの壁などを足就りまくり、
俺の顔に湯のみを投げつけた。
「俺男君、もう今日は帰りなさい」
呆然とする俺に、父親は静かな声で助け舟を出した。
簡単に一礼して、俺は玄関に向かった。
玄関で靴を履いていると、母親は俺に塩を投げつけ、
そのままブツブツ独り言を言いながら奥に消えていった。
470: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:05:21 ID:DCddfn6p0
父親は玄関の外まで俺を見送ってくれ
「すまなかった」
と最後に一言、深く頭を下げて謝った
帰る道すがら、俺は絶望で心が真っ暗だった。
唯一の希望だった吉村親もおかしな人で、まるで話にならない。
吉村はダメ。吉村親もダメなら、もう交渉相手がいないじゃないか。
それでも俺は希望を捨ててはダメだと思い、
一度家に帰って、その日のうちに病院に行った。
湯飲みをぶつけられたときに口を切ったんだが
病院で診断書をとれば、後で何かの役に立つかもと思って。
この頃になると、俺も菜美もさすがに精神的に限界近かった。
特に菜美は酷かった。
街金が来たとき家にいたりすると過呼吸になったりしてた。
俺も菜美も、夜中に悲鳴を上げて飛び起きることも増えた。
その頃の俺は、歩道橋などからふと下を見ると、いつの間にか
「飛び降りたらどうなるか」なんてことを考えていたりした。
自分の危険な思考に気付くと、慌ててその考えを否定した。
そんな感じの状態だった。
仕方なく俺は、父に全てを話して助力を要請した。
父「なんだ。最近、家にいないと思ったら、そんなことしてたのか?
まあ、いい勉強だ」
切迫してる俺とは対照的に、話を聞いた父親の態度はのん気なものだった。
父は、のん気な口調とは裏腹にしっかりした対処をしてくれた。
父の経営する会社の顧問弁護士を俺に紹介してくれた。
「すまなかった」
と最後に一言、深く頭を下げて謝った
帰る道すがら、俺は絶望で心が真っ暗だった。
唯一の希望だった吉村親もおかしな人で、まるで話にならない。
吉村はダメ。吉村親もダメなら、もう交渉相手がいないじゃないか。
それでも俺は希望を捨ててはダメだと思い、
一度家に帰って、その日のうちに病院に行った。
湯飲みをぶつけられたときに口を切ったんだが
病院で診断書をとれば、後で何かの役に立つかもと思って。
この頃になると、俺も菜美もさすがに精神的に限界近かった。
特に菜美は酷かった。
街金が来たとき家にいたりすると過呼吸になったりしてた。
俺も菜美も、夜中に悲鳴を上げて飛び起きることも増えた。
その頃の俺は、歩道橋などからふと下を見ると、いつの間にか
「飛び降りたらどうなるか」なんてことを考えていたりした。
自分の危険な思考に気付くと、慌ててその考えを否定した。
そんな感じの状態だった。
仕方なく俺は、父に全てを話して助力を要請した。
父「なんだ。最近、家にいないと思ったら、そんなことしてたのか?
まあ、いい勉強だ」
切迫してる俺とは対照的に、話を聞いた父親の態度はのん気なものだった。
父は、のん気な口調とは裏腹にしっかりした対処をしてくれた。
父の経営する会社の顧問弁護士を俺に紹介してくれた。
471: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:05:59 ID:DCddfn6p0
弁護士に相談してからは、話が早かった。
街金の取り立ては、相談してから3日後ぐらいにピタリと止んだ。
弁護士は、菜美の債務不存在確認と債務を片代わりする気がない旨
これ以上取り立てるなら、恐喝で告訴する用意がある旨などを書いた手紙を
弁護士名義で内容証明郵便で送った。
たったこれだけで、あれほどしつこかった街金は全く現れなくなった。
あまりに簡単に片付きすぎたので、俺は、
実は父が俺に隠れて、裏で人に言えないようなことをしたんじゃないか
と疑ったぐらいだ。
街金の取り立てがピタリと止んだことを電話で弁護士に伝え、お礼を言った。
「吉村和夫のストーカーの件は、来週ぐらいから始めます」
と弁護士は言った。
だが、弁護士の手続開始を待たずして事件が起こった。
夕方、俺と菜美が菜美の家の近くのスーパーで買い物をして帰る途中
突然、目の前に吉村が現れた。
突然、俺たちの前に立ちふさがって、吉村は俺を無言のまま睨み続けた。
菜美は怯えてしまい、ガタガタ震えながら俺の腕に抱きついてきた。
俺も足の震えが止まらなかった。
俺たちは、その場から動けなくなってしまった。
街金の取り立ては、相談してから3日後ぐらいにピタリと止んだ。
弁護士は、菜美の債務不存在確認と債務を片代わりする気がない旨
これ以上取り立てるなら、恐喝で告訴する用意がある旨などを書いた手紙を
弁護士名義で内容証明郵便で送った。
たったこれだけで、あれほどしつこかった街金は全く現れなくなった。
あまりに簡単に片付きすぎたので、俺は、
実は父が俺に隠れて、裏で人に言えないようなことをしたんじゃないか
と疑ったぐらいだ。
街金の取り立てがピタリと止んだことを電話で弁護士に伝え、お礼を言った。
「吉村和夫のストーカーの件は、来週ぐらいから始めます」
と弁護士は言った。
だが、弁護士の手続開始を待たずして事件が起こった。
夕方、俺と菜美が菜美の家の近くのスーパーで買い物をして帰る途中
突然、目の前に吉村が現れた。
突然、俺たちの前に立ちふさがって、吉村は俺を無言のまま睨み続けた。
菜美は怯えてしまい、ガタガタ震えながら俺の腕に抱きついてきた。
俺も足の震えが止まらなかった。
俺たちは、その場から動けなくなってしまった。
472: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:06:36 ID:DCddfn6p0
吉村「おまええがあああ、菜美を騙したんだあああ」
吉村はうなるような大声でそう言いながら、バックから包丁を取り出した。
目は完全に、人の目じゃなかった。
情けない話だが、俺はビビッて声も出なかった。
「ちょっと落ち着いて。話をしよう?ね?」
吉村に話しかけたのは、意外にも俺にしがみ付いて震えてる菜美だった。
吉村「菜美。俺のこと覚えてるか?俺だよ、俺」
菜美「あ、うん。吉村君だよね。憶えてるよ」
吉原「ありがとう。うれしいよ。やっぱりお前は、俺を見捨てられないんだな」
菜美「見捨てるとか、見捨てないとか、そんな話した憶えないよ」
吉原、しばらく号泣
吉村「菜美。お前はその男に騙されてるんだよ。
今俺が助けてやるからな」
菜美「ちょっと待ってね。二人で話そうか」
そう言うと菜美は俺の耳元に口を近づけて小声で
「逃げて。お願い。私なら大丈夫だから」と言った。
俺「出来るわけないだろ」
菜美「お願い。二人無事にすむのはこれしかないの。
私は大丈夫。今度は、私が俺男守るから。」
俺「……じゃあ俺は、2mほど後ろに下がる。
いいか。吉原との、この距離を保て。
この距離なら、万が一にも俺が対処できる。」
菜美「分かった」
吉村はうなるような大声でそう言いながら、バックから包丁を取り出した。
目は完全に、人の目じゃなかった。
情けない話だが、俺はビビッて声も出なかった。
「ちょっと落ち着いて。話をしよう?ね?」
吉村に話しかけたのは、意外にも俺にしがみ付いて震えてる菜美だった。
吉村「菜美。俺のこと覚えてるか?俺だよ、俺」
菜美「あ、うん。吉村君だよね。憶えてるよ」
吉原「ありがとう。うれしいよ。やっぱりお前は、俺を見捨てられないんだな」
菜美「見捨てるとか、見捨てないとか、そんな話した憶えないよ」
吉原、しばらく号泣
吉村「菜美。お前はその男に騙されてるんだよ。
今俺が助けてやるからな」
菜美「ちょっと待ってね。二人で話そうか」
そう言うと菜美は俺の耳元に口を近づけて小声で
「逃げて。お願い。私なら大丈夫だから」と言った。
俺「出来るわけないだろ」
菜美「お願い。二人無事にすむのはこれしかないの。
私は大丈夫。今度は、私が俺男守るから。」
俺「……じゃあ俺は、2mほど後ろに下がる。
いいか。吉原との、この距離を保て。
この距離なら、万が一にも俺が対処できる。」
菜美「分かった」
473: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:07:13 ID:DCddfn6p0
俺は少し後ろに下がった。
驚くほど冷静な菜美の言葉を聞いて、体の震えが止まった。
今、自分が何をしなければならないかが、はっきり分かった。
「私が俺男守るから」と言う言葉を聞いて
刃物の前に飛び出す決心が固まった。
最悪の場合、俺は全力で菜美を守る。
菜美と吉原が話している最中、
騒ぎを見に来た40代ぐらいの男性と目が合った。
俺は声を出さずに「けいさつ」と口だけを動かした。
見物人の中年男性は、うなずいて渦中の場所から小走りに離れて行き
50mほど先で電話してくれた。
その間も吉原は「俺たちは結ばれるんだよ」とか
「お前は俺を酷い男だと思ってると思うけど、それは違う。
おまえはこの男に騙されてるんだよ。
こいつが、あることないこと吹き込んでるだけだから」とか
「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」とか
聞くに耐えない話を延々と続けていた。
菜美は適当に話を合わせて、吉原の会話に付き合っていた。
それにしても、何なんだ吉原は。
以前も訳が分からないやつだったけど、今は以前以上だ。
支離滅裂で会話にさえなってない。
それにここは、確かに商店街ほど人通りは多くないが
人通りが少ない場所じゃない。
俺たちは、なるべく人通りの多いところを歩くようにしてたけど
それにしても、よく使う道でもっと人気のない場所なんていくらでもある。
一体、何考えてんだ?
驚くほど冷静な菜美の言葉を聞いて、体の震えが止まった。
今、自分が何をしなければならないかが、はっきり分かった。
「私が俺男守るから」と言う言葉を聞いて
刃物の前に飛び出す決心が固まった。
最悪の場合、俺は全力で菜美を守る。
菜美と吉原が話している最中、
騒ぎを見に来た40代ぐらいの男性と目が合った。
俺は声を出さずに「けいさつ」と口だけを動かした。
見物人の中年男性は、うなずいて渦中の場所から小走りに離れて行き
50mほど先で電話してくれた。
その間も吉原は「俺たちは結ばれるんだよ」とか
「お前は俺を酷い男だと思ってると思うけど、それは違う。
おまえはこの男に騙されてるんだよ。
こいつが、あることないこと吹き込んでるだけだから」とか
「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」とか
聞くに耐えない話を延々と続けていた。
菜美は適当に話を合わせて、吉原の会話に付き合っていた。
それにしても、何なんだ吉原は。
以前も訳が分からないやつだったけど、今は以前以上だ。
支離滅裂で会話にさえなってない。
それにここは、確かに商店街ほど人通りは多くないが
人通りが少ない場所じゃない。
俺たちは、なるべく人通りの多いところを歩くようにしてたけど
それにしても、よく使う道でもっと人気のない場所なんていくらでもある。
一体、何考えてんだ?
474: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:08:07 ID:DCddfn6p0
子供連れのお母さんなどは、刃物を持って大声出してる吉原に気付いて
大慌てて逃げて行く。
吉原が菜美に近づこうとしたときは少しあせったが
菜美が「まだそこで待ってて。まだ二人が近づくのは早いの」
と言ったら、吉原は近づくのを止めた。
すごいと思った。
この短時間で、菜美は支離滅裂な吉原の話に上手く合わせていた。
しばらくして、8人ぐらいの警官が来た。
パトカーから降りると、警官たちは手際よく吉原を包囲した。
「刃物を捨てなさい」
警官の一人が穏やかで、しかし厳しい声で言った。
吉原は、警官は認識できるようで、
オロオロ周り警官を見渡しながら八方の警官に順に刃物を向けた。
「吉原君、まずは包丁地面に置こうか。
吉原君、何か悪いことした?
もし、しちゃってたらもうダメだけど、してないなら捕まらないよ」
菜美は元気よく明るい声でそう言った。
吉原の注意がまた菜美だけに向かう。
「吉原君、死にたくないでしょ。
早く置かないと、鉄砲で撃たれちゃうよ」
吉原は笑顔で包丁を捨てた。
不気味な、人間とは思えない笑顔だった。
大慌てて逃げて行く。
吉原が菜美に近づこうとしたときは少しあせったが
菜美が「まだそこで待ってて。まだ二人が近づくのは早いの」
と言ったら、吉原は近づくのを止めた。
すごいと思った。
この短時間で、菜美は支離滅裂な吉原の話に上手く合わせていた。
しばらくして、8人ぐらいの警官が来た。
パトカーから降りると、警官たちは手際よく吉原を包囲した。
「刃物を捨てなさい」
警官の一人が穏やかで、しかし厳しい声で言った。
吉原は、警官は認識できるようで、
オロオロ周り警官を見渡しながら八方の警官に順に刃物を向けた。
「吉原君、まずは包丁地面に置こうか。
吉原君、何か悪いことした?
もし、しちゃってたらもうダメだけど、してないなら捕まらないよ」
菜美は元気よく明るい声でそう言った。
吉原の注意がまた菜美だけに向かう。
「吉原君、死にたくないでしょ。
早く置かないと、鉄砲で撃たれちゃうよ」
吉原は笑顔で包丁を捨てた。
不気味な、人間とは思えない笑顔だった。
475: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:08:09 ID:81za/kfX0
試演
476: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:08:43 ID:DCddfn6p0
吉原が包丁を捨てると、警官がドバっと吉原に襲い掛かって
吉原は地面に組み伏された。
俺と菜美は、泣きながら抱き合って喜んだ。
その後、吉村の父親がうちに謝罪に来た。
うちの両親は、二度と俺や俺の家に近づかせないようにと
それだけを固く約束させた。
母親は、一度も謝罪には来ていない。
予想通り、精神鑑定で見事に病気判定されたので刑事上、吉原は無罪だった。
俺たちは、損害賠償が請求できるだけだった。
民事の席で吉原の父親と会ったとき
父親に吉原の入院先と主治医を聞いた。
俺は予約を取って、その主治医に会って来た。
主治医に、吉原の言動がおかしかったことなどについて説明してきた。
事件になる前からのおかしかった言動などについて、説明した。
吉原もなりたくてああなったんじゃないと思ったから
吉原の治療の助けになればと思ったからだ。
主治医は一通り俺の話を聞いてくれ
「貴重な情報ありがとうございます。治療の参考になります」と言った。
吉原の病名について聞いたが、それは教えてくれなかった。
吉原は地面に組み伏された。
俺と菜美は、泣きながら抱き合って喜んだ。
その後、吉村の父親がうちに謝罪に来た。
うちの両親は、二度と俺や俺の家に近づかせないようにと
それだけを固く約束させた。
母親は、一度も謝罪には来ていない。
予想通り、精神鑑定で見事に病気判定されたので刑事上、吉原は無罪だった。
俺たちは、損害賠償が請求できるだけだった。
民事の席で吉原の父親と会ったとき
父親に吉原の入院先と主治医を聞いた。
俺は予約を取って、その主治医に会って来た。
主治医に、吉原の言動がおかしかったことなどについて説明してきた。
事件になる前からのおかしかった言動などについて、説明した。
吉原もなりたくてああなったんじゃないと思ったから
吉原の治療の助けになればと思ったからだ。
主治医は一通り俺の話を聞いてくれ
「貴重な情報ありがとうございます。治療の参考になります」と言った。
吉原の病名について聞いたが、それは教えてくれなかった。
477: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:09:10 ID:DCddfn6p0
しかし主治医は「もちろん、吉原さんが統合失調症とは申し上げませんが」
と前置きした上で、一般論として統合失調症という病気は
相手の思考が読めるとか、自分の思考が相手に通じるなどという妄想を生み
また前世や赤い糸などの妄想を強く信じたりすることがあり、
妄想を否定されると怒ったりするらしい。
統合失調症は支離滅裂になるのかと聞いたら、そういう症状が出ることもあるとのことだった。
親がおかしいと子どもが統合失調症になるのかと聞いたら
はっきり分かっていないが
遺伝と環境の両方の要因が作用して発症するとのことだった。
つまり、遺伝だけではなく、そういう素質を持った人が
ストレスの強い環境におかれると発症しやすいらしい
その話を聞いて、吉原の母親がすぐに思い当たった。
結局、吉原も、病的にヒステリーな母親という
ストレスの強い環境におかれて発症してしまった被害者の一人なのかと思った。
今はもう、菜美との同棲は止めている。
婚前に一緒に住むことに対して、うちの母親が難色を示したからだ。
みんなに祝福されるような付き合い方をして、
みんなに祝福される結婚をしようというのが、俺と菜美の出した結論だ。
と前置きした上で、一般論として統合失調症という病気は
相手の思考が読めるとか、自分の思考が相手に通じるなどという妄想を生み
また前世や赤い糸などの妄想を強く信じたりすることがあり、
妄想を否定されると怒ったりするらしい。
統合失調症は支離滅裂になるのかと聞いたら、そういう症状が出ることもあるとのことだった。
親がおかしいと子どもが統合失調症になるのかと聞いたら
はっきり分かっていないが
遺伝と環境の両方の要因が作用して発症するとのことだった。
つまり、遺伝だけではなく、そういう素質を持った人が
ストレスの強い環境におかれると発症しやすいらしい
その話を聞いて、吉原の母親がすぐに思い当たった。
結局、吉原も、病的にヒステリーな母親という
ストレスの強い環境におかれて発症してしまった被害者の一人なのかと思った。
今はもう、菜美との同棲は止めている。
婚前に一緒に住むことに対して、うちの母親が難色を示したからだ。
みんなに祝福されるような付き合い方をして、
みんなに祝福される結婚をしようというのが、俺と菜美の出した結論だ。
478: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:09:30 ID:DCddfn6p0
おはり
私怨くれた方、ありがとう
私怨くれた方、ありがとう
479: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:10:02 ID:XCcqXrsb0
乙
>「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」
ワラタ
>「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」
ワラタ
480: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:10:34 ID:81za/kfX0
乙 読み応えがあった
菜美さんとは結婚前提に付き合いは続いてるの?
菜美さんとは結婚前提に付き合いは続いてるの?
481: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:12:25 ID:LNz9Qa7P0
gkbr な話だったけど、自分も >>479 と同じところでワロタ
482: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:13:40 ID:AU49Knvd0
乙彼
>「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」
あほかw
貴方が杀殳傷沙汰で入院とかになんなくてよかったです。
結婚するつもりでお付き合いしてるんですねー。
まぁ結束は固いだろう。
お幸せに〜
>「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」
あほかw
貴方が杀殳傷沙汰で入院とかになんなくてよかったです。
結婚するつもりでお付き合いしてるんですねー。
まぁ結束は固いだろう。
お幸せに〜
483: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:14:46 ID:PEP/nDyR0
心の底から乙。
そしてお幸せに。
そしてお幸せに。
484: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:21:40 ID:X0QePdSq0
乙、よく纏まっていて読み易かった。
これからもなみさんと二人、仲良くね。
幸せな結果になって安心したよ。
これからもなみさんと二人、仲良くね。
幸せな結果になって安心したよ。
485: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:25:01 ID:j5nBxhEg0
恐ろしくgkbr
お幸せに!
お幸せに!
486: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:41:05 ID:GwNwSwEv0
吉村KOEEEEEEEEEE
死人がでなくて本当によかった。乙です。これからもお幸せに。
死人がでなくて本当によかった。乙です。これからもお幸せに。
487: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:41:54 ID:2tnpLY0d0
吉原と吉村がごっちゃごっちゃでも楽しかったお^^
488: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:54:28 ID:DCddfn6p0
みなさん、暖かい言葉ありがとうございます。
>>480
はい。続いてます。
>>480
はい。続いてます。
489: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 14:02:11 ID:huCJmuPA0
どうみても糖質だな。
法改正でこういう危険な人たちも該当施設に収容(というかむしろ保護だな)しておけなくなって
一般社会でいつこういう事件を起こしてもおかしくない日本になっているってことだな。
法改正でこういう危険な人たちも該当施設に収容(というかむしろ保護だな)しておけなくなって
一般社会でいつこういう事件を起こしてもおかしくない日本になっているってことだな。
490: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 14:06:50 ID:KtVMeOA60
結局 入院→改善→退院→悪化→事件→入院→改善→退院→悪(ry
を繰り返してるんだろうねえ・・・
を繰り返してるんだろうねえ・・・
491: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 14:29:22 ID:6zWtIGt2O
こええええ
修羅場としては文句なしに100点だな
修羅場としては文句なしに100点だな
493: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 16:47:20 ID:RoXpGCMQ0
たまにある勘違い男系かな?と思ってたらレベルが違った…
ていうか至る所で紙一重で助かってるんだな。
サラ金やら包丁男やら…
二人とも冷静だったから切り抜けられたんだなー。すげえ。
お疲れ様でした。
ていうか至る所で紙一重で助かってるんだな。
サラ金やら包丁男やら…
二人とも冷静だったから切り抜けられたんだなー。すげえ。
お疲れ様でした。
496: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 18:15:05 ID:uFFFxC1Z0
一番気の毒なのは吉村父だな
引用元:https://love6.5ch.net/test/read.cgi/ex/1204555706/