161 :素敵な旦那様 2006/03/26(日) 10:58:21
中学生の頃、親と喧嘩し、自転車に乗って家を飛び出した。
60km余り離れた叔母の家に行こうと思い立ち、道が判らないので、線路
伝いの道を走った。が、川を渡る時に大きく迂回しなければならず、そこで
方向すら判らなくなってしまった。時間は夜8時を回り、人通りも少なく
なっていた。
閉店しようとしているケーキ屋を見付け、そこの小父さんに道を尋ねた。
小父さんは、目的地を告げると、「え~!そりゃあ自転車じゃ無理やで~」と
言い、「お金出したげる。自転車も預かっといたげるから、電車にしとき」
とまで言ってくれた。元はと言えば、自分の我侭で親と喧嘩した事が発端
だったので、見ず知らずの人のそんな厚意に甘えるわけには行かなかった。
自転車で行く意志が堅い事を見て取り、小父さんは「ちょっと舞ってな」と
シャッターを開けて店の奥に引っ込み、やがて戻ってくると、小さな紙袋
を差し出した。「これを食べながら行きや」
開けると、中は甘い匂いのするクッキーだった。
その日、そのクッキーを頬張りながら、3時間走り、なんとか叔母の家に
辿り着く事が出来た。翌日、自宅に帰ったのだが、親から大目玉を食らった
事は言うまでも無い。
60km余り離れた叔母の家に行こうと思い立ち、道が判らないので、線路
伝いの道を走った。が、川を渡る時に大きく迂回しなければならず、そこで
方向すら判らなくなってしまった。時間は夜8時を回り、人通りも少なく
なっていた。
閉店しようとしているケーキ屋を見付け、そこの小父さんに道を尋ねた。
小父さんは、目的地を告げると、「え~!そりゃあ自転車じゃ無理やで~」と
言い、「お金出したげる。自転車も預かっといたげるから、電車にしとき」
とまで言ってくれた。元はと言えば、自分の我侭で親と喧嘩した事が発端
だったので、見ず知らずの人のそんな厚意に甘えるわけには行かなかった。
自転車で行く意志が堅い事を見て取り、小父さんは「ちょっと舞ってな」と
シャッターを開けて店の奥に引っ込み、やがて戻ってくると、小さな紙袋
を差し出した。「これを食べながら行きや」
開けると、中は甘い匂いのするクッキーだった。
その日、そのクッキーを頬張りながら、3時間走り、なんとか叔母の家に
辿り着く事が出来た。翌日、自宅に帰ったのだが、親から大目玉を食らった
事は言うまでも無い。
162 :161 2006/03/26(日) 11:09:29
(続き)
高校に入る春、バイトでサイクリング車を買って行動範囲が広がり、
その店にお礼を言いに行った。小父さんは喜んでくれ、その時を
境に手紙や年賀状のやり取りをする様になった。
高校の文化祭でステージでピアノを演奏した時、小父さんに招待券を
送った。小父さんは店を出れないので、バイトの女の子2人を代理と
して寄越した。バイトの女の子は、小父さんからだと言って、お菓子
を差し出した。却って気を遣わせてしまったと、自分の考えなしを
反省したものだった。
やがて、大学を卒業して社会人になって、転勤で引っ越すどさくさで、
そこの住所を書いたメモを紛失してしまい、音信不通となった。
高校に入る春、バイトでサイクリング車を買って行動範囲が広がり、
その店にお礼を言いに行った。小父さんは喜んでくれ、その時を
境に手紙や年賀状のやり取りをする様になった。
高校の文化祭でステージでピアノを演奏した時、小父さんに招待券を
送った。小父さんは店を出れないので、バイトの女の子2人を代理と
して寄越した。バイトの女の子は、小父さんからだと言って、お菓子
を差し出した。却って気を遣わせてしまったと、自分の考えなしを
反省したものだった。
やがて、大学を卒業して社会人になって、転勤で引っ越すどさくさで、
そこの住所を書いたメモを紛失してしまい、音信不通となった。
163 :161 2006/03/26(日) 11:22:13
(さらに続き)
転勤を繰り返し10年目にして、ようやく生まれ育った土地に戻ってくる
事が出来た。俺は、結婚して一児の父親になっていた。
実家から70kmくらい離れた、妻の実家近くにマンションを構えた。
マウンテンバイクで実家に行った帰り道、ふと思い出して、その店に
行ってみる事とした。
小父さんは、かなり歳を取っていたけど、まだ現役で、20年ぶりに
会う俺の事もちゃんと憶えていて、涙を浮かべて懐かしがってくれた。
「ところで、ここへはどうやって来たの?車?」とキョロキョロしたので、
「これです」とマウンテンバイクを指差すと、小父さんは噴出し大爆笑。
別れ際、「持って帰って奥さん、子供さんと食べて。」と包みを差し出した。
「お金払います」と言っても、頑として受け取らない。「今度は、奥さんと
子供さん連れて、買いに来てよ。その時は、お金をもらうから」
帰って包みを開けると、ロールケーキだった。妻に事の顛末を話しながら
家族で食べたのだが、そのロールケーキは、小父さんの人柄と相まって、
ほんのり甘くて美味しかった。
(連カキコスマン)
転勤を繰り返し10年目にして、ようやく生まれ育った土地に戻ってくる
事が出来た。俺は、結婚して一児の父親になっていた。
実家から70kmくらい離れた、妻の実家近くにマンションを構えた。
マウンテンバイクで実家に行った帰り道、ふと思い出して、その店に
行ってみる事とした。
小父さんは、かなり歳を取っていたけど、まだ現役で、20年ぶりに
会う俺の事もちゃんと憶えていて、涙を浮かべて懐かしがってくれた。
「ところで、ここへはどうやって来たの?車?」とキョロキョロしたので、
「これです」とマウンテンバイクを指差すと、小父さんは噴出し大爆笑。
別れ際、「持って帰って奥さん、子供さんと食べて。」と包みを差し出した。
「お金払います」と言っても、頑として受け取らない。「今度は、奥さんと
子供さん連れて、買いに来てよ。その時は、お金をもらうから」
帰って包みを開けると、ロールケーキだった。妻に事の顛末を話しながら
家族で食べたのだが、そのロールケーキは、小父さんの人柄と相まって、
ほんのり甘くて美味しかった。
(連カキコスマン)
164 :素敵な旦那様 2006/03/26(日) 11:22:38
>>161
コピペかも知れないが、、、、。
機会が有ったら一度、小父さんのケーキ屋に行ってやれ。
ひょんなきっかけで厨房の頃からの知り合いなら尚のこと、小父さん
喜ぶと思うぞ。
“縁”は大切にしろよw
コピペかも知れないが、、、、。
機会が有ったら一度、小父さんのケーキ屋に行ってやれ。
ひょんなきっかけで厨房の頃からの知り合いなら尚のこと、小父さん
喜ぶと思うぞ。
“縁”は大切にしろよw
166 :164 2006/03/26(日) 12:52:02
スマン!
>162まで読んでの書込みだ。>163まであったんだなw カンベン!!
>162まで読んでの書込みだ。>163まであったんだなw カンベン!!
165 :素敵な旦那様 2006/03/26(日) 11:52:52
まさに甘~~~~~~~~~~~~い思い出